✓こういった悩みにお答えします
- 大学院に行くメリットはあるの?ないの?
- それって、就職を選んでも得られるメリットじゃない?
- 自分は、大学院に行くべきなの?
✓本記事の内容
- 就職では得られない大学院のメリット
- 大学院に行って後悔していること(デメリット)
- 大学院に行くべき人の特徴
この記事を書いている僕は、2021年3月に理系の大学院を卒業しました。
今は社会人2年目で、大学院と会社を約2年ずつ経験しています。
こういった僕が、大学院・会社、両方の経験をもとに解説していきます。
会社では得られない大学院のメリット
さまざまなサイトで、大学院のメリットは紹介されており、その多くは僕もメリットだと感じます。
ですが中には、大学院のメリットではあるものの、「それって就職しても得られるんじゃない?」といったメリットもいくつかあります。
そこでまずは、「多くのサイトで紹介されている大学院のメリット」が、「会社では得られない大学院ならではのメリット」なのか?について、僕の考えをお伝えします。
今回取り上げるのは、こちらの5つ。
- 【大学院のメリット①】就職先の選択肢が広がる
- 【大学院のメリット②】論理的思考力が身に付く
- 【会社でも得られる①】高い専門性が身に付く
- 【会社でも得られる②】給料が高くなる
- 【会社でも得られる③】資料作成力・プレゼン能力が高くなる
【大学院のメリット①】就職先の選択肢が広がる
これは、大学院ならではのメリットです。
大学院卒しか応募できない職種がある
僕が就活をする中で、応募条件が大学院卒になっている「企業・職種」がありました。
たとえば、ビールで有名なキリンの研究職は、大学院卒でないと応募ができません。
理系の推薦枠は大学院生が優先
理系の場合、企業からの推薦があり、半分以上の学生がこの推薦を利用して内定を獲得しています。
この推薦は、「○○大学△△学科の学部生/大学院生から3名」というように、大学卒と大学院卒を問わず募集をかけている企業があります。
もし定員以上の希望者がいたら、推薦をもらえない人も出てくるのですが、僕の大学では大学院生が優先されていました。
【大学院のメリット②】論理的思考力が身に付く
就職して仕事で研究をするのであれば、大学院に行かなくても論理的思考力が身に付くのでは?と思う人もいますよね。それには僕も賛成です。
ですが、会社よりも大学院の方が、論理的思考力を身に付けやすいと感じています。
企業では「利益・成果」を求められる
企業で働く以上、「利益や成果」を求められます。一方で大学院であれば、「利益や成果」よりも、「学生の成長・正しい研究方法の習得」が求められます。
つまり、「学ぶ」という観点から見ると、企業よりも大学院の方が適しています。
【会社でも得られる①】高い専門性が身に付く
ここからは、就職であっても得られることや、むしろ就職した方が良いのでは?と感じる部分について説明します。
一つ目は、「高い専門性が身に付く」というメリットに関してです。
当然ながら、就職した場合でも高い専門性を身に付けることはできるので、大学院に進む理由にはならないと思います。
むしろ「専門性」という観点から見ると、大学院で学ぶよりも、就職して会社で学んだ方が良いと思います。
大学院で身に付けた専門性は、会社で活かせないことが多い
「専門性が高い」ということは、「狭く深く学ぶ」ということです。
なので、大学院で専門性を身に付けたとしても、就職後に大学院時代と同じ領域で研究できることは少ないです。
僕の同期は3人いましたが、僕を含め、就職後に大学院時代と同じ研究をしている人は一人もいません。
【会社でも得られる②】給料が高くなる
大卒と大学院卒の初任給は次のようになっています。
たしかに、初任給だけを見ると、大学院卒の方が3万円ほど高いです。
- 大卒平均:210,200円
- 大学院卒平均:238,900円
しかし、大学院卒が就職する時点で、大卒は社会人を2年間経験しているので、その分の昇給があります。それを考慮すると、この3万円の差はほとんどないものと考えていいのではないでしょうか。
実際に僕は、社会人1年が終わった時点で、月収3万円アップしていました。
大学院卒の方が、早く昇給するのでは?
ここまで読んだ方は、こういった疑問を持つかもしれません。
僕はまだ社会人2年目なので詳しくは分かりませんが、たぶんその通りだと思います。
どこかで、大卒と大学院卒では生涯年収が4,000万円ほど違うと聞いたこともあります。
大学院卒は優秀な人が多いから、早く昇給する
僕は、大学院卒の方が優秀な人が多いから、昇給も早いんだと思っています。
たとえば、東大と地方大学の大学院進学率を比較すると、東大の方が高いです。つまり、大学院卒の方が、高学歴の割合が高いということです。
「勉強ができる=仕事ができる」というわけではないですが、ある程度の関係性はあります。就活時に学歴フィルターがあることからも分かりますよね。
【会社でも得られる③】資料作成力・プレゼン能力が高くなる
会社で働くまでは、「資料作成力・プレゼン能力」は大学院に行かないと得られないメリットだと思っていましたが、違っていました。
会社で働いていた方が鍛えられます。
学部で「資料作成力・プレゼン能力」は身に付かない
学部までは、人前でプレゼンする機会はほとんどありません。
ですが大学院に入ると、毎週の進捗報告や学会発表でプレゼンの機会が増えるため、大卒と大学院卒では、「資料作成力・プレゼン能力」に大きな差がつきます。
会社ではさらに高いレベルが求められる
大学院でプレゼンする相手は、教授や先輩など、知っている人がメインなので、相手も理解しようと聞いてくれます。
しかし会社では、話に興味がない外部の人にプレゼンすることも多いので、そういった人にも興味を持ってもらえるような、高いレベルでのプレゼンが求められます。
このように、会社でのプレゼンの方がより高いレベルを求められるので、成長も早いです。
大学院に行って後悔していること(デメリット)
大学院に進むかどうか迷っている方に向けて、僕が後悔していることをお伝えします。
僕の後悔は、「20代の2年間」という貴重な時間を使ってしまったことです。
大学院で経験したことが、今も役に立つことは多々ありますが、すべてを活かしきることはできていません。
大学院の経験を活かせなかった、僕の就活
僕は、大学院で生活する中で、「自分には研究は向いていない」「定年まで研究をしているのはシンドイ」と感じました。
そこで、文系・理系の枠を取り払って、自分が本当にやりたいことを探しました。
その結果、IT系のベンチャーに就職を決めました。
正直、この会社には学部卒でも入れますし、大学院で身に付けた専門的な知識はまったく役に立ちません。
大学院での研究生活を通して、研究が向いていないことや考える力がついたことは、大学院に行ってよかったことです。
しかし、もっと早く自分の進路を真剣に考えて、学部卒で今の会社に就職していたら、、、と感じることもあります。
お金の後悔はない
大学院のデメリットとして、お金の面が取り上げられることが多いですが、僕はお金の面の後悔はありません。
これから頑張れば、大学院で使った以上のお金を稼ぐことができるからです。
しかし、20代の貴重な2年間は、決して取り返すことはできません。
大学院に行くべき人の特徴
迷う理由が学費なら行くべき。それ以外なら就職の方が良い。と思います。
大学院に行くことを目的にしてはいけない
学費で迷っている人は、大学院の先に自分のやりたいことがある人だと思います。たとえば、有名企業の研究職に就きたいなど。そういう人は、大学院に行くべきです。
学費以外の理由で迷っている人は、大学院に行くことが目的になっているかもしれません。そういう人は、後悔する可能性が高いです。僕がそうであったように。
就職を選択して、あとから「やっぱり大学院に行っておけばよかった」となっても大丈夫です。一度就職したとしても、必要であれば大学院に入り直すことができます。
実際に、僕の一つ上の先輩に、学部卒で一度就職してから30歳になって大学院に入学した人がいました。
お金がなくても、大学院に行く方法
大学院に進学するにあたって、多くの人がぶつかるのが、お金の問題です。
ここに関しては、心配する必要はありません。大学院の学費を捻出する方法は複数あります。
詳しくは、こちらの記事で説明しています。
進路に後悔しないためのシンプルな方法
進路に後悔しないための一番シンプルな方法は、自分が行きたい方向に進むことです。
「理系なら大学院を出てからが勝負」「大学院を出ていないと相手にされない」など、周りから言われることもあります。
こういった意見に耳を傾けることも大切ですが、最終的には自分の意思で決めることが、後悔のない選択につながると思います。
後悔のないよう、進路についてじっくりと考えてみてください!
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