大学院って地獄なの?厳しいの?
進学か就職か、どうしよう…
こういった疑問にお答えします。
僕は大学院は地獄とは知らずに、周りが進学するからと安易な気持ちで決めてしましました。
これにはかなり後悔しています。
特に「周りも半分以上大学院に行くし、大学院に行ってなんとなく研究職に就くんだろうな~」と考えている人には大学院について詳しく知ってもらいたいです。
20代の2年間はとても大きいです。
大学院の厳しさやメリットを知ったうえで悔いのない選択をしてください!
大学院は地獄なのか?
断言します。大学院は地獄です。
これは僕1人の意見ではなく、僕の同期や先輩も同じことを言っています。
同じ研究室の同期は4人いますが、そのうち3人は早く卒業して働きたいと言っています。
就職した先輩に聞いても、会社より大学院時代の方がつらかったと話しています。
大学院が地獄である理由
大学院のどこがつらいのかを挙げ始めたらきりがないですが、特にヤバいと感じた3つを紹介します。それがこちらです。
①労働時間がブラック企業並み
②ミスをすると詰められる
③成長している実感が湧かない
①労働時間がブラック企業並み
「労働」と書いてしまっているところからも地獄具合が伝わると思いますが、とにかく忙しいです。
責任感はさておき、労働時間でいったら社会人を含めてもトップクラスです。笑
実験準備がクソ大変
研究室によってはパソコンだけで完結するところもありますが、実験を行う研究室では、実験準備がアホみたいに大変です。
1つの研究室には10人前後の学生が所属して、自分1人で実験道具を占領できるわけではありません。なので、実験ごとに装置を組み立てたり解体しないといけません。
必要な道具をかき集めてやっとの思いで組み立ててもナゾの理由で正常に動作してくれないこともあるんですよね。(泣)
そうこうしているうちに夕方になり、それから実験スタート!なんてこともよくあります。実験が終わるころには日付が1つ進んでいることも。。。
講義や課題はノーカウント
大学院でも講義はあります。
定期テストではなくレポートの講義が多いので学部時代よりは楽です。しかし、講義やレポートは労働時間にカウントしてもらえません。
つまり、講義やレポートがあるのに、週40時間分の研究成果を教授に求められるのです。
後輩の指導はノーカウント
学年が上がっていくと、後輩の指導という役目が増えます。
後輩を指導している時間も労働時間にカウントしてもらえないので、指導の時間が増えた分、自分の時間が減っていきます。
後輩がミスをするとすべて指導している先輩の責任になるので、目を離すわけにもいきません。
就活に時間がさけない
これまでに挙げた、「実験準備・講義・指導」は大学院で研究を行う上で必要なことですが、極論を言うと就活はやらなくても卒業できるわけです。
教授は自分にメリットのないことをとことん嫌うので、「就活なんかせずに研究しろ!」というスタンスです。
僕の先輩は夏に2週間のインターンに行くために研究室を休みたいと申し出たのですが、許してもらえませんでした。
あ、ちなみにだけど、
厳しい研究室に夏休み、春休みはないよ、、、
②ミスをすると詰められる
当然といえば当然ですが、ミスをすると詰められます。例えばこんな感じ。
どう責任とるの?
うちのメンツ丸潰れだよ?
思考停止だよね?それは。
教授は教育に関しては素人なので、学生への接し方が下手な人もたくさんいます。
学生の研究成果がそのまま教授の研究成果になるので、ミスしたり上手くいっていないとかなり高圧的な態度でキレてくることも多いです。
③成長している実感が湧かない
大学院では、高校や大学とは違って、定期テストのような自分の実力を数値化してくれるものがありません。そのため、成長している実感が湧きません。
仮に成長していたとしても結果が出ないことはよくあります。
ゆるい研究室を選べばいいんじゃないの?
教授によっては優しくて緩い教授もいるので、その研究室を選べば楽に卒業することができます。
しかし、緩い研究室を選ぶと卒業するときに何も身についていないということになりかねません。大学院の2年間を完全にムダにしています。それこそ地獄ですよね。
厳しい研究室を選ぼう
せっかく大学院に行くのであれば、ある程度厳しい研究室を選ぶことをオススメします。
就職に有利になるから大学院に行って、緩い研究室で楽に卒業しようと考えている人はキケンです。
学歴を重視している企業もあるので、大企業に入れるかもしれませんが、実力が伴っていないので入社してから本当の地獄を見ることになりますよ。
*1日たった5時間の研究で、教授に怒られない成果を出す方法(追記:2021/9/20)
上記のように、超絶ブラックな研究室でしたが、なんとか卒業することができました。
最初のうちは毎日10時間以上研究をしているのに怒られるという地獄のような日々でしたが、卒業するころには1日5時間で教授に怒られないくらいの成果は出せるように。
そんな僕の、3年間かけて溜めたノウハウをまとめました。
≫ 1日たった5時間の研究で、教授に怒られない成果を出したノウハウはこちら
大学院に行ってよかったこと
僕が大学院に行って特によかったと思うことを5つ紹介します。
それがこちらです。
・就活が有利になる
・プレゼン力が身に付く
・自走力が身に付く
・簡単にへこたれなくなる
・論理的思考力が身に付く
就活が有利になる
大学院に行っても必ずしも就活が有利になるわけではないという意見もありますが、僕は大学院に行ったことで就活が有利になったと思いますし、ちゃんとした理由もあります。
推薦が優先される
理系の方は知っていると思いますが、学校推薦というものがあります。
推薦は企業ごとに定員が決まっており、「大学と大学院から合わせて○人募集」というように、学部と院で区別がない企業がほとんどです。
人気企業は定員がオーバーすることがありますが、その場合、成績の善し悪しに関わらず大学院生が優先されます。
推薦を使うと、書類選考免除・1次面接免除などのメリットがあります。
また、企業によっては推薦がないと受けさせてもらえないところもあるくらいです。
院卒採用がメインの企業もある
企業によっては院卒採用が8割を占めていることもあります。
こういった企業に入ろうと思うと、大学院を出ていないとかなり厳しいです。
学歴フィルターのようなものですね。
身近に先輩がいる
研究室に入ると就活を経験した先輩と仲良くなれるので、アドバイスをもらうことができます。
ついこの間、就活を経験している先輩なので、どこよりも新鮮な情報を得ることができ、情報戦においては確実にリードすることができます。
お願いをすれば、ESなどの添削や就活相談にものってもらえます。
プレゼン力が身に付く
研究室に入ると、研究の進み具合をみんなの前で発表する報告会があります。
研究室によりますが、厳しめの研究室であればだいたいあると思います。
僕の研究室では毎週やってるよ!
プレゼンを毎週やって、それを3年間も続ければイヤでも人前で話すのに慣れてきます。
発言力も身に付く
自分が発表しないときは他の人の発表を聞き、質問やアドバイスをしてあげます。
僕の研究室では、「発言しない人は存在価値がない」というスタンスなので、そういう環境で鍛えられることで発言力が備わりました。
就活でも役に立った
研究室で身に付いた発言力は、就活でも役に立ちました。
インターンなどで大勢の前で積極的に発言をしたり、インターン後に人事の方に気になっていることを自主的に聞きに行ったりしました。
そのほかにも、グループディスカッションなどで役立ちますね。
こういった積極性は就活でかなりプラスに評価されるので、ぜひ身につけておきたいです。
自走力が身に付く
研究というのは、これまでに誰もやったことがないことを自分一人で進めていくので、毎日のようにうまくいかないことがあります。
こういった困難を自分の力で乗り越えていくうちに自走力が身に付きます。
サーチ力
自走力といってもピンとこないと思うので、その具体的な内容を1つ挙げると「サーチ力」があります。
サーチ力とは、自分に必要な情報を見つける力です。
日常生活で困っていることのほとんどはググれば解決しますが、研究ではそうはいきません。
日本語で情報が手に入ることはまれで、英語の論文や書籍、英語でググったりして手掛かりを探していきます。
ここまでできれば、世界中のどこかにあなたが必要としている情報があれば、それを見つけてくることができます。
簡単にへこたれなくなる
これまで世界で誰もやったことのないことをやるのが研究なので、うまくいかないことの連続です。
研究を始めたての頃は、「こんなに頑張って実験準備したのに、なんで予想通りの結果が出ないんだよ!!クソっ!!」とイライラして、投げたしたくなることばかりでした。
失敗してからがスタート
しかし、今では、「うまくいかないのは当たり前。むしろ、失敗してからがスタート」というように、考え方がガラッと変わりました。
うまくいかなかった原因を考えて、その原因を一つ一つ地道に潰していって初めて成果が出る。これが研究です。
このように、「仮説を立てる→実験する→うまくいかなかったら原因を考える→改善策を試す」というPDCAを回す力は、社会に出ても必ず役に立つ力であり、どんな職業でも必要なスキルです。
論理的思考力が身に付く
最後の一つは、論理的思考力です。
論理的思考力とは、「これを達成するためには、あれを証明する必要があって、あれを証明するためには、あそこを解決しないといけないな・・・、ということは、最初はこの問題を解決しないといけないぞ!」というように、目的を達成するまでのプロセスを細分化して考えることです。
先ほど紹介した、「失敗した原因を考えて、改善策を試す」という一連の流れが、論理的思考力を鍛える最高のトレーニングになります。
大学院に進むべき人
最後に、僕が考える「大学院に進むべき人」はこちら。
・研究職に就きたい人
・やらされるのが嫌いな人
研究職に就きたい人
将来、研究職に就きたい人は大学院に進んだ方がいいです。
やっぱり、研究の世界では学士(学部卒)と修士(大学院2年間)では周りからの見られ方が全然違うみたいです。
特に海外では、博士(修士+3年間)じゃないと相手にされなかったりもするそうです。
やらされるのが嫌いな人
大学院は自主性の塊のようなものなので、自分から行動する力がかなり身に付きます。
それができないと卒業できないくらいです。
社会人は言われたことを確実にこなしていればある程度評価されてしまうので、大学院よりも自主性は身に付きにくいです。
自主性を身につけておけば、社会に出てからも自分から新しい価値を生み出すことができ、「仕事=やらされるもの」という感覚はなくなると思います。
大学院進学か就職か、これにはすごく迷うと思いますが、ぜひ後悔のない選択をしてくださいね(^^)/
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